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【重要なお知らせ】Amazon Payのご利用終了について

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全員違って、全員特別。想いが紡いだボーダレスなTシャツの誕生秘話

全員違って、全員特別。想いが紡いだボーダレスなTシャツの誕生秘話

  ギフトを贈ることが増えるこれからの季節。せっかく贈るのであれば、ストーリーや想いのあるもの、ずっと大切に使いたくなるようなものを贈りたい。 今回紹介するのは、美容室「LIfT」のBAMBI.さんと「Borderless kids」の高橋奈津子さんの素敵な取り組みから生まれたTシャツ。そこには「髪質がひとりひとり違うように、脳の特性(つくり)もひとりひとり違う。ひとりひとりが本来持っている特性や性質を最大限活かしてほしい」という想いが込められています。BAMBI.さんと高橋さんに誕生までのストーリーをお話ししてもらいました。     同じ想いでつながる縁     ―表参道で美容院「LIfT」を営むかたわら、「today for MAY」というヘナ(植物由来染料)のヘアケアブランドも手掛けているBAMBI.さんと、発達の特性を持つ子どもたちのためのおもちゃやウエアを製作・販売する「Borderless kids」の高橋さん。お二人の出会いのきっかけは何だったのでしょうか?   BAMBI.さん:実は以前、高橋さんとは原宿の美容室で一緒に働いていたことがあるんです。僕がスタイリストで、高橋さんはプロダクトを担当するチームだったので、当時はほとんど接点がなかったんですよね。   高橋奈津子さん:そうなんですよね。BAMBI.さんのサロンに、私のママ友の仕事仲間が通っていて、その方の髪の毛がすごくきれいだったんですよね。よく聞くとBAMBI.さんの美容院でヘナをしてもらっているということがわかって。そんな不思議な縁から再会しました。ヘナのお話も聞かせてもらって、「Borderless kids」のポップアップショップで取り扱わせていただくようになったんです。   ―今回一緒に取り組みをすることになったきっかけは何だったのでしょうか?     BAMBI.さん:僕がヘナを扱うようになったきっかけにも関連してくるので、そこからお話ししますね。長年、美容師をしているなかで、お金をかけて美容室に通っている人ほど、パーマ剤やカラー剤で髪が傷んでいたり、体調が悪くなっていたりしているのをずっと見てきました。ある時期から、「僕はほんとうにきれいにしているのだろうか?」「僕がやっていることはこれでいいのだろうか?」と考えるようになりまして…。 そこから調べたり、考えているうちに、人それぞれが持つ髪質や特性を生かして背中を押してあげる仕事が美容師なんじゃないかと行き着いた。そのときに、手助けしてくれるのがヘナだったんです。僕がヘナを扱うベースにある考えが高橋さんの「Borderless kids」の活動に共鳴したのがきっかけです。   高橋さん:「人それぞれの特性を活かす」というのは私の活動においてもすごく大切にしていること。そう考えるようになったきっかけは自閉症の長男です。自閉症や発達障害は脳の特性なのですが、自閉症や発達障害に限らず脳って実はみんな違うはずで。本来、みんな特性は違うのに、つい「普通」にあわせようとしてしまっているな、と。息子と過ごすなかでそれに気づかされたんです。 もちろん息子は、生活する上でフォローが必要ではあるのですが、人の笑っている顔がすごく好きな子で、笑顔を見るとぴょんぴょん跳ねて喜んでたりして。その特性というのは、このままでいて欲しいなと思うんですよね。 みんな違うんだから「普通」に合わせなくてもいいんだよということを知ってほしいと思い、「Borderless kids」の活動をしています。   BAMBI.さん:持っている特性の違いを受け入れられるボーダーレスな社会になっていくべきだという高橋さんの考えを聞いて、自分自身の考えに通じるなとすごく思ったんです。「LIfT」というサロンの特徴もまさにボーダレスで。90歳近い方もいらっしゃるし、赤ちゃんや幼稚園の子も来ます。男女、ジェンダーレスの方も来れば、アーティストも主婦の方もいる。日本各地、海外からも来ていただけているので、ボーダレスな社会を目指していくにはとっておきな場所じゃないかと思っています。 今までは、サロンやヘアケアアイテムで、自分の持っている髪質を生かすことを後押ししていましたが、それを前向きに後押ししてポジティブに転換していく活動に力を入れていきたいと考え、高橋さんと一緒になにかできないかとお話をさせてもらったんです。    ...
時を越えるトランク:革職人の挑戦とこだわり - 日本で唯一のレザートランク職人・北澤 湧氏にインタビュー(後編)

時を越えるトランク:革職人の挑戦とこだわり - 日本で唯一のレザートランク職人・北澤 湧氏にインタビュー(後編)

Trunk by Kitazawa - Mini Trunk Bag - Oxhide   後編では、日本唯一のレザートランク職人である『Trunk by Kitazawa』・北澤 湧さんが手がけるトランクのデザインや機能性について詳しく伺いました。耐久性を支える素材や構造の工夫、細部に宿る美学、次世代へと受け継がれるタイムレスなデザインに込めた想い。長く愛され、日常の中で活かされるトランク作りの魅力に迫ります。   ── トランクのデザインや機能性について教えてください。 僕が作るトランクは、実用性と美しさの両方を大事にしたデザインが特徴です。世代を超えて長く愛用していただけるよう、パーツ交換ができる設計にして、日常使いにちょうどいいサイズと機能性も備えています。 お母さんがやがておばあちゃんになって、「若い頃にずっとこれを使っていたのよ」と言って、それを娘さんがかっこよく受け継いで使ってくれる姿って素敵ですよね。トランクは使い込まれてボロボロになっても、味わいが増してかっこいいですからね。   オリジナルデザインの留め具「引き継ぐ」ということを前提にして、クロージャー(留め具)を取り替えられる機構にしました。オリジナルのパーツです。これを外せば別のものに付け替えられるようにしています。 お母さんが年を重ねる頃にはトレンドも変わっているでしょうし、娘さんの好みにも合わせられるように、クロージャーを変えるだけで、雰囲気を一新することができるようになっています。   ここにショルダーストラップがつきます。 ショルダーストラップの適正の長さは、ハンドバッグを肘にかけたときの位置が一番美しく見えると言われています。もともと、ショルダーストラップの長さはそういう意図で設定されているのですが、現代の装いに関してはその限りじゃないと思います。いろんなファッションバランスがあるから。   ── 使用している革の種類や、その選び方について教えてください。 使い込むほど良い風合いが出てくるエイジングを想定した革を選んでいます。エイジングを想定していない革は、使うと美しさが減っていくものが多いですが、エイジングする革は、使えば使うほど美しさが増していくんですよね。。つまり、トランクが出来上がった時点がピークじゃなくて、長く使うことでどんどん良くなっていく。そういう、時間と共に美しくなる革を選ぶようにしています。 その中でも特にわかりやすいのがワニ革ですね。10年使ったワニ革なんてすごいですよ。奥行きがあって、透明感も増して、めちゃくちゃ美しくなります。僕としてはエイジングも含めた価値で価格が決まっていると思っているんです。なかなかきれいにエイジングしたワニ革を見かけることは少ないので、イメージしづらいかもしれないですが、高い理由はちゃんとあって、耐久性も抜群なんです。素材の耐久性でいえば、牛革の10倍とも言われてますからね。   ワニ革は内部に油分が含まれており、使用することで表面に自然な艶が生まれる。Trunk by Kitazawa -...
時を越えるトランク:革職人の挑戦とこだわり - 日本で唯一のレザートランク職人・北澤 湧氏にインタビュー(前編)

時を越えるトランク:革職人の挑戦とこだわり - 日本で唯一のレザートランク職人・北澤 湧氏にインタビュー(前編)

日本で唯一のレザートランク職人として活躍する『Trunk by Kitazawa』・北澤 湧さん。彼のものづくりの原点や、日本とフィレンツェで培った革製品づくりの美学、そして自身が手がけるレザートランクに込める思いについて語っていただきました。   ── まずはじめに、ものづくりを始めたきっかけを教えてください。 高校時代にハンズで手に入れた革の端切れを使ってキーケースを手作りしたのが始まりです。そのとき、革に残る傷跡やシワを見て、生き物としての命の重みを感じました。だから傷を隠してしまうのではなく、逆にデザインに取り入れてみようと考えたんです。それが革に対する敬意の始まりでした。当時は高校生で経済的に余裕もなかったので、友人や知人に手作りの革小物をプレゼントしながら技術を磨いていきました。   最近のオーダー品。革の傷を生かしたデザインの「シャンパントランク」。特別な一本を運ぶのにふさわしい存在感。   ── レザートランク職人を志すに至った転機について教えてください。 大学時代、イタリア・フィレンツェでの工房で学んだ経験が大きな転機でした。大学の近くのバーでアルバイトしていたときに、偶然大学の理事長と出会い、夢について話す機会を得たんです。その話をきっかけに、理事長の勧めでイタリア留学が実現しました。フィレンツェの工房で一年間学んだ経験は、イタリアの職人たちが持つ技術とその仕事に向き合う姿勢に大きな影響を受けました。   ── イタリアの職人文化から受けた影響についてもお聞かせください。 イタリアの職人は「アルチザン(職人)」として尊重され、誇りを持って仕事に向き合っています。その文化には感銘を受けました。特に、フィレンツェで出会った「Cisei (シセイ)」というブランドの職人たちから技術を学び、彼らの姿勢が今の自分を形成する大きな要素となっています。     ── イギリスのメディア「Monocle (モノクル)」とのコラボレーションについても興味深いですね。 フィレンツェで築いた人脈を通じて「モノクル」のプロダクトを手掛ける機会がありました。あるデザイナーから依頼されたパソコンケースが、「モノクル」編集長タイラー・ブリュレの目に留まり、プロダクト制作の依頼を受けることになったんです。そこから、日本の富ヶ谷にオープンする「モノクル」ショップ向けの製品や百貨店のプライベートブランドの革製品など、様々なプロジェクトに携わるようになりました。   ── ルイ・ヴィトンでの経験がどのように影響したかも気になります。 革製品についてさらに深く知るため、ルイ・ヴィトンに入社して、そこでトランクと出会いました。ルイ・ヴィトンのトランクは歴史と伝統が詰まっていて、その技術を学ぶことができたのは貴重な経験でした。特に心を動かされたのは、トランクは持ち主の人生や大切なストーリーが詰まった「物語の器」ということです。 例えば、あるお客様はお子さんの誕生を記念して、初めての靴や思い出の品をトランクに詰めて、成人の日にそのトランクをお子さんに贈りたいと話されていました。また、別のご婦人は、大切にしてきた宝石や時計、手紙など人生の思い出をトランクに収め、お子さんやお孫さんに手渡したいと。 自分のためではなく、誰かを思って、その人にとっての大切なものを少しずつ集めて、次の人に繋いでいく。そういう行為って豊かですよね。こうしたお客様一人ひとりの特別なストーリーを聞くことで、トランクはただの旅行鞄ではなく、持ち主の想いや記憶を宿す特別な器なんだと強く感じました。 だから、トランクは1人だけが使うものではなく、何世代にも渡って受け継がれていくことを前提に作られているんです。僕がルイ・ヴィトンの大先輩から教わったトランクの魅力って、まさにこうした思いを繋いでいくというところなんですよね。   家族や個人の物語を次世代へと紡ぐ「物語の器」 ──...
ブランドという概念【0円でできるブランドづくり】

ブランドという概念【0円でできるブランドづくり】

前回は私の自己紹介と基本的なバックグラウンドの話をしました。 多分に概念的なことについて学ばされたこと、概念を具現化する実践をしていたこと、などをお話ししました。   今回は「ブランド」ってなに?というやはり概念的な話から始めたいと思います。   例えば皆さん、「ブランド」という言葉を聞いたときに頭に思い浮かぶ像はなんでしょうか。 ほとんどの人は何かしら特定のブランド、あるいは似たような複数のブランドの塊を思い浮かべるのではないでしょうか。   では「”ブランド”っていったい何?」と問いかけられたときに頭に思い浮かぶ像はなんでしょうか? これは本当に人によって様々なものが浮かび上がってくるのではないでしょうか。   私たちが日々「ブランド」という言葉を使う時それが指すものは色々あります。「あのブランドかっこいいよね」などと使う時はラベル(Label:商標)のことを指していたり、「〇〇はもはやブランド品だからね」と使う時はクラス感や価格帯のことを指していたりします。   Louis Vuitton 57th and 5th   私のクライアントからもよく投げかけられる言葉なのですが 「うちの商品はまだなかなかブランドになっていかないんだよね…」 などと、まるで「ブランド」という明確なステージがあるかのように使われたりもします。   ビジネスの世界では実質的には同じモノをより高額で販売できるチカラを「ブランド力」などと呼び、その場合の「ブランド」は「価値」のことを指し示しているようです。   このように「ブランド」という言葉は、いつも私たちが使っている時はわりと明確な像が頭の中に結ばれるわりには、あらためて「ブランドって何」と聞かれると曖昧なぼんやりした回答になりがちです。   では世間一般の定義はどうでしょうか。   アメリカ・マーケティング協会(AMA)が定めている「ブランド」の定義は   “個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。”   とあるのですが、うーん、これも我々が使う「ブランド」という言葉のごく一部しか表していないように思えます。  ...
9月の連休は白洲千代子さんがつくるオーナメントを探しに安曇野へ

9月の連休は白洲千代子さんがつくるオーナメントを探しに安曇野へ

  ママのお気に入りだったジャケットのボタン 蚤の市で見つけたアンティークのビーズ 片方失くしたパールのピアス 南の島で出会った少年にもらったガラス玉 宝物箱の中の愛しい思い出たちをぐるぐる繋ぎ合わせたような そんなロマンティックな想像を掻き立てる千代子さんのアクセサリー     白洲千代子アクセサリー展 -オーナメント-   天然石、ビーズ、陶などを金色の線で編み込んで仕立てたユニークな作品には、千代子さんのお祖母様やお母様から受け継いだコレクションの素材なども含まれているそうです。まさに二つとない宝物ですね。   千代子さんの祖父母は白洲次郎氏、正子氏。そして”文芸批評の神様”小林秀雄氏。 小林秀雄氏のお父様(千代子さんの曾祖父)がベルギーでダイヤモンドの加工研磨技術を学び初代ミキモトの工場長でいらしたことから宝石に興味を持つようになったのだとか。   自由で軽やかなエレガンスを受け継いだ千代子さんがつくるアクセサリーは、身につける人の内側にある知性と茶目っ気を引き出す不思議な力があります。   今回の展示のために”色んな季節の安曇野”を思いながら創作されたそうです。 9月の連休を利用して、白洲千代子さんのアクセサリーのオーナメント(宝物)を探しに安曇野散策と洒落込んでみてはいかがでしょうか。   _______________________________________________________ #Exhibition 白洲千代子アクセサリー展 💎 オーナメント Date:  9.13(Fri) - 9.23(Mon) 11:00 - 17:00✴︎作家在廊日は13(Fri)、22(Sun)、23(Mon) Venue:...
8ablish -緑に包まれた都会のヴィレッジで、愛犬とともに寛げるスタイリッシュヴィーガンカフェ

8ablish -緑に包まれた都会のヴィレッジで、愛犬とともに寛げるスタイリッシュヴィーガンカフェ

愛犬は大切な家族の一員。いつも一緒にいたいし、なるべくお留守番させたくないから、SNSで #dogfriendlyや #ワンコOK 、#ペット同伴のタグを年中チェックしている愛犬家の方も多いのではないしょうか。 My Pleasure編集部の犬好きファミリー&フレンズがお薦めする、”愛犬家にも犬にも嬉しいドッグフレンドリープレイス”をシリアルでご紹介します。   * ヴィーガンカフェの草分け 8ablish (エイタブリッシュ) via: @__ans.wer__   Dog friendly address第一弾は、話題の麻布台ヒルズに昨秋オープンしたヴィーガンレストランの老舗「8ablish(エイタブリッシュ)」。 エイタブリッシュは2000 年に南青山でヴィーガンカフェ「Cafe Eight」をオープンして以来、24年にわたり青山の地で営業を続けてきたヴィーガンレストランの元祖のようなお店です。 私はヴィーガンでもなんでないのですが、その昔に仕事柄、インドからのお客様やNYのファッション業界からのお客様をお招きすることが多くあり、その時に先方から「ヴィーガン料理」を指定されることが多くありました。 正直お店選びに困るんですよね。当時はちらほらとベジタリアンメニューなどがあるお店もあったのですが、バリエーションがないからデザートまでの食事全体が成り立たなかったり、(おいしくなかったり)で。 そんな時はエイタブリッシュ一択でした。お客様に喜ばれなかったことは一度もありません。 ノンヴィーガンの私でも「え?こんなに満足度が高いならヴィーガンでいいじゃん」と思ってしまうぐらい、リッチ&テイスティなのにヘルシーという絶妙なバランスの料理は、当然ヴィーガンの方も驚きをもって食事を楽しんでいたと思います。 そのエイタブリッシュが、新しく生まれ変わり麻布台ヒルズに移転オープン。それもなんとドッグフレンドリーのお店として! オーガニックファーム「Ome Farm」とタッグを組み、生命力のある野菜をふんだんに使ったヴィーガン料理を追求     海外のシェフたちからも絶大な信頼を得ているOme Farmの青柳陽子氏と、エイタブリッシュで長年シェフを務める和田仁美氏が追求する、生命力のある野菜をふんだんに使った美しいヴィーガン料理 。 新鮮なオーガニック野菜たっぷりのOme Farmプレートや富山県射水市の自社農園で育てた玄米のカレーやブッダボウルなど、ボリューミーでラインナップが豊富なランチメニューは、近隣マダムや近隣ビジネスマンのヘヴィリピーターも飽きさせません。 新しいエイタブリッシュの味は、ノンヴィーガンで食いしん坊の私でも大満足です。   レモンのレアチーズケーキ/フィグ&ナッツバー...
宅間頼子さんに聞く、ギフトの思い出

宅間頼子さんに聞く、ギフトの思い出

  世界のトップブランドでの要職を歴任し、独立後は企業のブランディングやPR、コンサルタントとして第一線で活躍。「ギフトは最上のコミュニケーションツール」と語る宅間頼子さんにギフトの思い出、贈るときの極意を聞いてみました。     気遣いを感じられるギフトが心に残る   デザイナーやセレブ、さまざまなクリエイターとの交流もある宅間さんは、打ち合わせや食事の際に、小さなギフトや手土産を贈り合うことも多いのだそう。その際、彼女が重視するのは、相手の好みや状況に合わせて選ぶこと。   「お仕事をよくご一緒する編集や広報の人は新しいものへ感度が高いので、ちょっと珍しいものを贈りたいですよね。例えば、なかなか手に入らない[村上開新堂]のクッキー缶や、11月だけの[松島屋]の新栗蒸し羊羹のような季節限定の品を贈ったり。はじめてお会いする人には自己紹介を兼ねて私の手がけるヴィーガンカフェの[8ablish]のお菓子を贈ることも多いですね。 でも、やっぱり一番大切なのは相手への気遣い。贈る方の好みや状況を考えて選ぶようにしています。多忙な方にはリラックスできるアロマキャンドルやバスソルトを、体調管理している人には食べ物じゃないものを、ホームパーティにはみんなで楽しめるシャンパンを…と、相手が喜んでくれるものはなんだろう?と、いつも考えるようにしています」   宅間さんご自身も、気遣いや心遣いを感じられるようなギフトを受け取ると、その人の人柄や思いに触れ、心に残ると言います。周りのご友人や仕事関係の方からもらうギフトを参考にすることも珍しくなのだそう。   「周りの友人や仕事関係の人たちもギフトセンスがいい人が多いので、意外なものや心遣いを感じるものに出会えたら、他の人へのギフトの参考にさせてもらうこともあります。そうやって嬉しかったことを、また別に人に伝えていけたらいいなと思っています」。     自分の状況や好きを思ってくれるギフトがうれしい     「これまでもらったギフトで思い出深いものはなんですか?」とたずねると、2年前にスタッフからもらった花瓶を紹介してくれました。   「私、花が好きなんですよね。花があると気持ちが華やかになるので、なにもない日でも花を飾っています。それを知っているスタッフがみんなでお金を出して買ってくれたのがこの花瓶です。 自分だと建築的なデザインのものを選びがちでこういう民藝っぽいものは選ばないのですが、サイズ感もかたちもよくて。使ってみたらしっくり。いろいろなお花が素敵に飾れるし、インテリアにも合って気に入っています。私が花を好きなことを知って選んでくれたんだろうなと、みんなの気持ちがうれしかったですね」。   ころんとしたフォルムと手仕事を感じる花瓶。花を生けるたびにスタッフのみなさんからの思いも感じられ、より特別なものになっているよう。そして、日頃からお花が好きだという宅間さんにとって、お花もギフトの選択肢のひとつ。お花のギフトに関するこんなエピソードも話してくれました。   「2年前に家族が亡くなったのですが、その2週間後ぐらいに友人としても親しくしている仕事関係の人と打ち合わせがあったんです。待ち合わせ場所に行ったら、大きな花を抱えてきて、私にくれたんです。それはデルフィニウムなど淡い色の小さな花が束ねられた優しい雰囲気の花束でした。 突然のことだったので驚いていると、『残念だったね。少しでも気持ちが癒えますように』と言ってくれて。もちろんよく知っている仲だからできたことではあると思うのですが、さりげない心遣いだったので、嬉しかったし癒されました」。     ギフトがつなぐ想いとコミュニケーション     ギフトを贈ったり、もらったりして心を通わせるエピソードが次々に出てくる宅間さん。そこには“モノ”以上の価値や意味があるよう。  ...
はじめまして。【0円でできるブランド作り】

はじめまして。【0円でできるブランド作り】

こんにちは。稲田元彦と申します。 東京でブランドビジネスコンサルティングの会社を営んでおります。   私は80年代から90年代初頭にかけて東京とNYでアートを学び、その後NYでファッションビジネスコンサルティングの仕事につきました。 以来今に至るまでずっとブランド作りに関する仕事を続けています。   このコラムでは私が学校と社会で学んだ「ブランド作り」の秘密を惜しみなく共有するつもりです。   これからの時代は、個々の人たちが輝きながら自由なフォーマットで仕事をする時代になる(と良いなー)と感じています。 そんな中で「自分のブランドを作りたい!」「自分自身をブランドとして発信したい!」などと考えている方々に、私が知っているブランド作りの秘密を役立ててもらいたいなと思ったからです。   アイデア次第で色々なモノをブランド化できる方法をシンプルにわかりやすく、できるだけ合理的にお伝えするつもりです。   事業規模を問わない、ユーザーや企業に優しい、世の中の役に立つ「本来のブランド作り」とは何か、どのようにすれば実現するのか、などについて何となく順を追って書いていくつもりです。お付き合いくださいませ。   まず最初は私の学んできたことについて自己紹介を兼ねてお話しします。   通っていた学校 School of Visual Arts, New York City. Image: Samuel Morgan.    私はNYでSchool of Visual Arts通称SVAという美術大学でFine Artsを専攻していました。 アートの勉強って一体なにをするの?なにを学ぶの?とよく聞かれました。   アートは自分の表現なんだから学ぶことなんか無いでしょ。と。...
だれかが私にくれたもの

だれかが私にくれたもの

プレゼントについて、しばらくずっと考えている。 JITTERIN'JINNの歌詞を眺めて、「あなたが私にくれたもの」は何だったかをたどりながら、私の場合を思い返したりして。 3歳の娘は、「だれかが私にくれたもの」をひとつひとつ記憶しようという試みをしている。おばあちゃんからもらった猫のぬいぐるみ。ママがくれたピンクのボーダーカットソー。おとうがくれたNIKEのジョーダンワン。ゆかちゃんがくれたお手紙とシール。 ときおりおまじないのようにそれを唱え、腕いっぱいに抱えてご満悦な表情を浮かべる。 * 彼女の10倍以上の時間を生きているなかで、「だれかが私にくれたもの」のすべてを思い出すことは難しくなってしまったけれど、ふとした瞬間に「だれかが私にくれたもの」の記憶に邂逅することがある。 本屋の新刊に並んでいる名前を見て、いつか「好きだと思って」と渡された本の一節が蘇ってきたり、靴ずれで急く帰り道にふとクリスマスにもらったおそろいの青いアディダスのスニーカーのことを思い出したり。 このコラムを書きながらお茶でも入れようかと立ったキッチンで、目があったティースプーンはこのあいだ女友だちが台湾土産にくれたものだ。 * そんなことを考えていたら、私もだれかにプレゼントをあげたくなってきた。出会えたことのよろこびを感じられて、近くにあるだけで気分がよくなって、思い出すと気持ちがほころんで、大切なあの子にも教えてあげたくなる。そして、昔からの親友のように一緒に時を重ねたくなるような。「だれかに贈るプレゼント」を見つけるべく、いろいろな人のおしゃべりに耳を傾け、訪れたことのない遠くの世界に思いを馳せるのだ。プレゼントのヒントはそこかしこにあるはずでしょう?プレゼントについて考える時間というのは、私たちに与えられた至極贅沢な時間なのだ。
It's "My Pleasure"

It's "My Pleasure"

憧れの先輩がいる。 いろんなことを教えてくれる人。知る喜びを教えてくれる人。 休日の午後にお宅を訪ねると、馴染みのない遠い国から届いた珍しいお茶や手作りのトラディショナルなケーキを、なんとも趣味のよろしい骨董の器でもてなしてくれる。 via: @houseoflotuskaren 話題はブルックリンにオープンしたばかりのギャラリーのこと、パリの薬局で処方してもらったハーブティーの効能のこと、サンセバスチャンで梯子したバルのこと、マラケシュで大人買いしたスパイスが素晴らしかったこと、コロンボのカフェにいた看板犬のことなど… 異国の風習やお作法、伝統的スタイルから最新トレンドの解釈まで、なぜ知っているの?というようなことばかり。国境を越える多彩でLOVEなエピソードは、いつも心に滋養をもたらしてくれる。    帰り際、春の花々真っ盛りの楽園のようなお庭から、ヒヤシンスを一掴み摘んで、束ねてくれた。その一連の所作が身悶えするほどかっこいい。(そこにシビれる!あこがれるゥ!ージョジョ)“My pleasure”は、そんな先輩のご主人の口癖。お二人のおもてなしに謝意を伝えると、「It’s my pleasure! またいらしてください」と英国紳士のように微笑んでくれた。憧れの先輩のご主人は、これまたダンディーな御仁なのである。 「喜んでもらえることが最大の喜びなのよ」という、そのお言葉に甘えて来月もまたおじゃましちゃおうかな。お手土産は何にしようかしらん。わたしだって先輩に喜んでもらいたいから真剣に悩もう。あれこれ悩む時間も楽しいしね。 ソーシャライツで長身で見目麗しくてハイセンスで博識で、近寄り難いほどスーパーハイスペックなのにまったく飾らない…そんなカッコよすぎる先輩が教えてくれる愛と洗練のマイプレジャー精神。それが先輩のノーブルな美しさの秘密に違いない。ルックスのことは横に置いておくとして、とにかくこのスピリットはぜひとも真似したいものなのであります。