ブランドという概念【0円でできるブランドづくり】
前回は私の自己紹介と基本的なバックグラウンドの話をしました。 多分に概念的なことについて学ばされたこと、概念を具現化する実践をしていたこと、などをお話ししました。 今回は「ブランド」ってなに?というやはり概念的な話から始めたいと思います。 例えば皆さん、「ブランド」という言葉を聞いたときに頭に思い浮かぶ像はなんでしょうか。 ほとんどの人は何かしら特定のブランド、あるいは似たような複数のブランドの塊を思い浮かべるのではないでしょうか。 では「”ブランド”っていったい何?」と問いかけられたときに頭に思い浮かぶ像はなんでしょうか? これは本当に人によって様々なものが浮かび上がってくるのではないでしょうか。 私たちが日々「ブランド」という言葉を使う時それが指すものは色々あります。「あのブランドかっこいいよね」などと使う時はラベル(Label:商標)のことを指していたり、「〇〇はもはやブランド品だからね」と使う時はクラス感や価格帯のことを指していたりします。 Louis Vuitton 57th and 5th 私のクライアントからもよく投げかけられる言葉なのですが 「うちの商品はまだなかなかブランドになっていかないんだよね…」 などと、まるで「ブランド」という明確なステージがあるかのように使われたりもします。 ビジネスの世界では実質的には同じモノをより高額で販売できるチカラを「ブランド力」などと呼び、その場合の「ブランド」は「価値」のことを指し示しているようです。 このように「ブランド」という言葉は、いつも私たちが使っている時はわりと明確な像が頭の中に結ばれるわりには、あらためて「ブランドって何」と聞かれると曖昧なぼんやりした回答になりがちです。 では世間一般の定義はどうでしょうか。 アメリカ・マーケティング協会(AMA)が定めている「ブランド」の定義は “個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。” とあるのですが、うーん、これも我々が使う「ブランド」という言葉のごく一部しか表していないように思えます。 ...