花と地球の瞬間を映す、蔦谷ヨシミツ氏初のアートブック『E art H』が日仏同時発売
- 「 五元素」×「花」を通してEARTH( 地球)と人間の存在を再考するアートブック ハイブランドのデコレーションやブルガリホテル東京のフラワーデザインを手掛けるフラワーアーティスト・蔦谷ヨシミツ氏。彼の初となるアートブック『E art H(イー・アート・エイチ)』が、10月10日、日本とフランスで同時に発売された。 タイトルの『E art H』には、Earth(地球)の中にArt(芸術)が息づいているという遊び心が仕込まれている。本書は、「Fire / Air / Earth / Space / Water」という五つのエレメントをテーマに、自然や生命の儚さと調和を花と写真で描き出している。見る者の内面へと静かに問いかける一冊だ。 撮影地は、屋久島、東京、北フランス、パリ。異なる気候と文化の地で撮影された花々は、それぞれの土地の空気や温度を纏い、静かに存在を放っている。 本書のディレクションを担ったのは、パリを拠点に活動するクリエイティブディレクター AiTamura-R.。彼女の審美眼のもと、撮影はロンドン在住のフォトグラファー Paola Peroni に託された。アートディレクションを手がけたのは、パリで長年活躍する Éric Pillault。それぞれの感性が呼応しながら、「花で描く地球というアート」を立体的に描き出している。 - 「E art Hを制作するにあたり、僕が大切にしたのは“その瞬間”でした。」 蔦谷氏はそう語る。「設計図から始めるのではなく、感情やインスピレーションを信じて制作に向き合いました。フランス語でいう“スポンタネ(spontané)”——自然発生的な創造の感覚。花も僕らと同じ生命体です。だからこそ、思考ではなく感覚を頼りに、少しでも彼らに近い視点から表現したいと思いました。」 その言葉どおり、本書には計算や演出を超えた“偶然に宿る美しい調和”が息づいている。 出版記念イベントのデモンストレーションで、まさにスポンタネなアレンジメントを見せてくれた蔦谷氏。...