【イタリアでグッと来た、暮らしをハッピーに彩るコトやモノ】 Vol.1 魔法の調味料
気づけば、イタリアとのご縁は30年以上。イタリア人の家族と過ごすようになり16年、現地で暮らした日々も約4年に及びます。振り返れば、私の人生は、イタリアと共に紡いできた時間に彩られているのです。
イタリアで過ごした日々の中で、私が心から魅了されたのは、日常の何気ない瞬間を楽しむというライフスタイル。 たとえば、家族と囲むカラフルな食卓、旅先で見た息をのむほど美しいトラモント(夕陽)、散歩の途中で見つけたカフェの小さなエスプレッソカップ、仕事の合間にふと目にする街並み。 そんなささやかな出来事に気づき、語り合う時間がある。特別なことではないけれど、日々の暮らしを少しだけハッピーにしてくれるヒントが、そこかしこに散りばめられている。 それを見つけられる暮らし――それが、私にとってのイタリアです。
イタリアでの暮らしの中で出会った、心にグッときたモノやコト。 日々をちょっとハッピーに彩ってくれる、そんな小さなストーリーを、少しずつこちらでご紹介していけたらと思っています。
GIFT STOREでは、私自身が愛用しているアイテムや、旅先で出会ったお気に入りをご紹介しています。
よかったら、ぜひ覗いてみてくださいね。
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Vol.1 _モデナで出会った有機アチェート・バルサミコ・オロ「アマルコール」をご紹介

約4年間暮らした北イタリアの街、モデナ。小さな街ながら“食の宝庫”として知られ、イタリア全土はもちろん、世界中の美食家たちが訪れます。 その理由のひとつが、世界で最も予約が困難とも言われるミシュラン三つ星レストラン「オステリア・フランチェスカーナ」が、街の小さな路地にひっそりと佇んでいること。
日本でもお馴染みの「アチェート・バルサミコ」ですが、実は“モデナ産”であることが、本物の証。 「アチェート」は酢、「バルサミコ」は芳香を意味し、木樽でじっくり熟成されたその香りは、まさに芳醇そのもの。 モデナの豊かな土壌と独特の気候が育む、唯一無二の味わい。 この地だからこそ生まれる、特別な調味料――それが、アチェート・バルサミコなのです

木樽の中で、静かに時を重ねるバルサミコ
バルサミコ発祥の地・モデナでは、バルサミコはもはや“調味料”の枠を超えた存在。 どこへ行っても、まるで主役のように扱われています。 たとえば、朝のメルカートで旬の野菜を買うとき、「この野菜、どうやって食べると美味しい?」と店主に尋ねると、決まって返ってくるのは「バルサミコをかけてね」という一言。 このフレーズは、季節を問わず、メルカート(市場)のあちこちで耳にする定番なのです。

モデナ旧市街のアルビネッリ・メルカート
モデナの街には、アチェート・バルサミコの専門店もあり、バルサミコ協会のスペシャリストによるレクチャーを受けながら、さまざまな種類のバルサミコをテイスティングすることができます。 その奥深い味わいや香りの違いを体感できる、貴重なひとときです。

専門店には、豊富なバリエーションのアチェート・バルサミコが並んでいます
モデナでの暮らしの中で、私はさまざまな種類のアチェート・バルサミコを味わう機会に恵まれました。 気軽に楽しめるカジュアルなタイプから、長い年月をかけて熟成された最高級のものまで。 そして、ミシュラン一つ星レストラン「L’ERBA DEL RE(エルバ デ レ)」でいただいた、バルサミコを纏った一皿は、まさに感動の味でした。そんな日々の積み重ねの中で、いつしか私は“アチェート・バルサミコ ラヴァー”に。 バルサミコは、私のターボロ(食卓)に欠かせない存在となりました。

パルミジャニーノ・レッジャーノのリゾットに、アチェート・バルサミコを纏わせたモデナの逸品
今回ご紹介をする「アマルコール」ですが、友人のモデネーゼ(モデナで生まれ育ったひと)が紹介をしてくれたことがきっかけです。彼は、アチェート・バルサミコのマエストロと称される、上級公式テイスター「Il Maestro di assaggiatore di Aceto Balsamico」の資格を持つパオロ・マルティーニ氏。 自らもバルサミコを造るほど造詣が深く、その彼がこう語ってくれたのです。
「このバルサミコは、長期熟成ではないのに、驚くほどなめらかで素晴らしい。 まだ日本では紹介されていないけれど、日本のみなさんに“本物のアチェート・バルサミコ”をぜひ知ってほしい!」
その言葉に心を動かされ、日本での展開をスタートさせたのが、「アマルコール」とのストーリーのはじまりです。
「アマルコール」を初めて口にした瞬間、その甘みと酸味の絶妙なバランスに、思わず感激しました。 これまで出逢ったバルサミコは、どちらかの味が強すぎたり、テクスチャーが水っぽかったりと、日々のターボロ(食卓)で気軽に使える“しっくりくる一本”にはなかなか巡り会えずにいました。 けれど「アマルコール」は、そのすべてを満たしてくれる、私にとってのパーフェクトなバルサミコだったのです。
『AMARCOR(アマルコール)』という名前は、イタリア語の゛mi ricordo(ミ リコルド)“—「覚えている、記憶している」という意味のモデナ方言に由来しています。 まさに、初めて味わった瞬間から忘れられない存在となった、魔法のような調味料です。
ここで、「アマルコール」を使った季節のイタリアでのレシピをご紹介します。今が旬のズッカ(かぼちゃ)とフォルマッジョ(チーズ)のリゾット。 ミア・ファミッリア(家族)のAndreaが作るオリジナルのピアットは、ズッカのリゾットにクリーム状のパルミジャーノ・レッジャーノを添え、仕上げに「アマルコール」を纏わせたピアット。 ズッカのやさしい甘みと、アマルコールの酸味が織りなす、最高のアッビナメント(組み合わせ)です。



この季節ならではの一皿に、そっと纏わせる「アマルコール」。 旬の味わいを引き立て、食卓に華やぎと深みを添えてくれる存在です。
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Amarcor - Aceto Balsamico - Oro 750ml ¥7,452
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