海の中に沈むレストラン──唯一無二の食体験

海の中に沈むレストラン──唯一無二の食体験


太陽が戻ってきたものの、気まぐれな空を眺めながら、ふと夏の日差しが恋しくなる季節です。そんな気分を紛らわせてくれるのが、海好きの私にとって最高のヴァカンスとなった今夏のモルディブ旅。その中でも、滞在した島のリゾートに併設されていた、とびきり素敵な体験ができるレストランについて綴らせていただきますね。

暫しお付き合いのくださいませ。


Hurawalhi Island Resort

 

約15年ぶりに叶ったモルディブ再訪。透き通る海と、色鮮やかな熱帯魚が泳ぐ最高なロケーション。海を眺めているだけで心がほどけていく、そんな癒しに満ちた島です。

今回滞在したのは、マーレ空港から水上飛行機で約40分。モルディブ・ラヴィヤニ環礁に佇む Hurawalhi Island Resort です。

幸運なことに、このリゾートには海中レストランがあり、まるで海の中へ溶け込むような、特別な時間を味わうことができました。

水深5.8メートルという非日常の世界でコース料理を楽しめる、唯一無二の体験型レストラン──それが「5.8 Undersea Restaurant」です。



月光と海の下に佇む海中レストラン

レストランの入り口をくぐると、まずスタッフからこの海中レストランの成り立ちや構造についての説明があり、これから始まる特別な体験への期待が静かに高まっていきました。



螺旋階段をゆっくりと降りていくと、足元のガラス越しに海中へと潜っていく感覚が視覚的に伝わってきて、まるで自分自身が海の世界へ吸い込まれていくようでした。

そして、レストランに到着した瞬間、目の前に現れたのは、まるでプライベートな水族館のような空間。360度ガラス張りのドームに包まれたその場所は、言葉を失うほど幻想的でした。

 

「5.8 Undersea Restaurant」

 

ガラスのすぐ向こうには、サンゴ礁が広がり、カラフルな熱帯魚たちが泳ぎ回る姿が手に取るように見える。その美しさは、写真や映像では伝わらない、圧倒的な迫力。ただ静かに眺めているだけで、時間の感覚さえ薄れていくようでした。

 


あまりの光景に息をのんでしまい、しばらく言葉が出ずにただ見とれてしまったのは言うまでもありません。そこに広がっていたのは、世界最大規模のオールガラス構造を誇る海中レストラン。

その名の由来は、まさに海面下5.8メートルに静かに佇んでいることから。“ガラスレストラン”と呼ばれることもあるようですが、実際にはニュージーランドの M.J. Murphy Ltd によって設計され、約400トンもの巨大アクリル構造を海中へ沈めて造られた、本格的な海中建築。ただの“海の中のレストラン”ではなく、海そのものに包まれながら食事をするという、世界でも類を見ない空間です。

 

海面からこぼれる光がつくる、幻想的な瞬間

完全海中型レストランは、世界にわずか9店舗しか存在せず、そのうち8店舗がモルディブに集まっているのだそうです。海の静けさに包まれながら、ガラス越しに揺らめく光と魚たちの影を眺めていると、まるで自分が海の一部になったような感覚に浸れる。世界で9店舗しか体験できない“海の中で食事をする”という贅沢が、ゆっくりと心に染み込んでいきました。

 

 

そして、眺めているだけでも贅沢なその空間に、突然“海の王者”が姿を現しました。ゆったりとした動きでドームの周りを回遊するサメの影がガラス越しにふわりと浮かび上がった瞬間、ゲストたちは一斉に食事の手を止め、スマートフォンを手に撮影タイムへ。

サメが通り過ぎるたびに、レストラン全体がわずかにざわめき、海の神秘と力強さが肌で感じられるようなエキサイティングな空気に包まれました。静けさと緊張感が入り混じるその瞬間は、まさに海中レストランならではの特別な体験。

この場所でしか味わえない、忘れられない時間となったのはいうまでもありません。

 



 

そして、口福へと誘ってくれた数々のピアットは、どれも心に残る逸品ばかり。目の前に広がる魚の姿を眺めながら、魚を使った料理を味わうという、滅多にない贅沢な体験も印象的でした。ここモルディブでも日本食ブームが訪れているようで、イクラを包んだクレープ仕立てやマグロのたたきなど、日本の技法にモルディブらしいテイストを添えたピアットでした。

 

 

海中レストランでの特別な体験に加え、美しい海、風の香り、そして鮮やかに染まった夕焼けのあまりの美しさに涙がこぼれるほど──すべてが「レガーロ」と感じた、そんな夏のひとときでした。

https://www.hurawalhi.com/

 

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