「人生に凛として息づく“経験”というレガーロ」

「人生に凛として息づく“経験”というレガーロ」

2月も気づけばもう中旬。 そして今年は、ミラノとコルティナという2つの都市が舞台となる、特別なオリンピックの2月でもあります。

イタリアでの開催というだけで、競技そのものはもちろん、街並みや観客席に映るイタリアの人々の姿に、どこか懐かしさが重なり、いつもより心の距離が近く感じられるのは不思議です。

そんな中で迎えた開会式。 あまりの美しさに息をのむほどで、胸の奥がじんわりと熱くなるような時間でした。今日は、そのエモーショナルな余韻を少し綴らせてください。

 

歴史、芸術、モード、そしてイタリアのパッション。 イタリアという国が持つ独自の魅力――いわゆる Italianity(イタリアニティ)――が、細部にまで散りばめられた開会式。どの瞬間を切り取っても絵画のように美しく、これほどまでに心を奪われた開会式は、私にとって初めての体験でした。

テーマは「Armonia(ハーモニー)調和」。 今の世界情勢にそっと問いかけるような言葉であり、演出そのものがそのテーマを静かに、しかし力強く語っているように感じられました。

イタリアでのオリンピックだからこそ、心に響くものがあったのかもしれません。 美しさと情熱が溶け合うあの光景は、きっと長く記憶に残り続ける気がします。

 


via: Armani "Omaggio al Sig. Armani alla Cerimonia di Apertura dei Giochi Olimpici Invernali Milano Cortina 2026"

 

開会式の中でも、ひときわ心を奪われたシーンがありました。 イタリア国旗の緑・白・赤を基調にした「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のパンツスーツを纏った60人のモデルたちが、色ごとに整然と並び、国旗を届けるモデルのヴィットリア・チェレッティを先導して歩く姿。 その光景は、まるで荘厳なランウェイのようで、息をのむほど美しかったのです。

しかも、昨年9月に亡くなったジョルジオ・アルマーニ氏が最後に自分の手で針をいれた作品(ヴィットリア・チェレッティが纏っていた白いドレス)だと知り、胸が熱くなりました。 世界のモード界を牽引し続けた巨匠への敬意が、あの場に満ちていたように感じられ、思わず涙がでたほどです。

 

 

なぜ、これほどまでに私がこの瞬間に心を奪われたのか。それは、私自身の仕事の原点が「ジョルジオ アルマーニ」ブランドにあるからです。

同ブランドが初めて全世界ライセンスビジネスとしてアイウエア事業をスタートした際、日本でのローンチPRを担当させていただいたのが、私のキャリアにおける大きな転機でした。 初のライセンス事業ということもあり、ブランドコントロールの徹底についてはアルマーニ氏ご本人から細部にわたる指示が届くほど。 世界的ブランドに携わる緊張感と責任の重さ、そしてその中で学んだマーケティングの本質は、今も私の中に深く息づいています。

あの経験があったからこそ、私はブランドコンサルティングという現在の仕事を続け、気づけば会社設立20周年を迎えることができました。 アルマーニブランドから学んだ哲学や姿勢は、今も私の仕事の根幹を支え続けています。

だからこそ、開会式でアルマーニ氏の最後の作品が世界中の人々の前で讃えられる瞬間に立ち会えたことは、私にとって特別な意味を持っていたのです。 あの美しい光景は、ブランドへの敬意とともに、自分自身の20年の軌跡を静かに照らし返してくれたように感じています。

今の自分があるのは、ジョルジオ アルマーニとの出会いがあってからこそと言っても過言ではないほどであり、私の人生に凛として息づき、確かなエッセンスとなった「レガーロ」なのです。


改めて、ジョルジオ・アルマーニ氏へ深い敬意と、心からの感謝、そして哀悼の想いを捧げます。

“Grazie di cuore. Maestro Giorgio Armani.”

 

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