植物の時間で。
このコラムも、しばらく間が空いてしまいました。
以前から読んでくださっている方も、今日初めてここに来てくださった方も、あらためて、新年の静かな気持ちでまた少しずつ書いていこうと思います。
僕は毎年、年が明けると、何かを大きく変えたいというよりも、一度立ち止まって、これまでのことを静かに見つめ直したくなります。
進むことよりも、今の状態をちゃんと見てみること。
髪についても、同じように感じています。急がず、足さず、そのままを受け取ること。
美容師として働いていた頃、当時勤めていたサロンで、ずっと心に引っかかる感覚がありました。
以前もこのコラムで書きましたが、きれいになるために行っているはずのことが、いつの間にか髪を疲れさせていく。色を重ねるほど、手触りやツヤが失われていく人が増えていく。その光景に、言葉にならない矛盾を感じていました。
変えることが前提になりすぎていないだろうか。本当はありのままを受入れたり、待つという選択肢があってもいいのではないか。
そんなことを考えるうちに、自然と「植物」のことを思うようになりました。
植物の力は、急がせない。必要以上に働きかけず、時間をかけて、ゆっくり整えていく。
アロマを長く学ばれている先輩から、こんな言葉を聞いたことがあります。
「アンチエイジングではなく、スローエイジング。」
その言葉を聞いたとき、無理に逆らうのではなく、時間と共に静かに歩むような感覚があり、すっと腑に落ちました。
髪にとって植物は、まさにそのスローエイジングの象徴のような存在だと思うのです。流れに合わせて、ゆっくり、自然に重ねていく。
染めない、という選択は、何かを諦めることではなく、自分の髪と向き合い直すことなのかもしれません。
today for MAYが大切にしているのは、変化よりも、回復。そして、待つこと。
このコラムでは、改めて、髪を「解放する」という視点から、選択肢を増やすための言葉を、今年も少しずつ残していこうと思います。
静かに。植物の時間で。






