Columns

季節のよろこびを知らせてくれる街角の花屋のように、新しい出会いと少し遠くの世界への想像力をもたらしてくれる。
そんな物語をお届けします。

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「そのままでいいと思えた時」

「そのままでいいと思えた時」

これまでのコラムで、 植物のことや、整えるという感覚について書いてきました。   急がせないこと。 足しすぎないこと。 無理をさせないこと。   そんな考え方は、 日々のサロンワークの中で 少しずつ形になってきたものです。   今も毎日、 たくさんのお客様と向き合っています。   以前よりも、 むしろ働いている時間は長いかもしれません。   ただ、 仕事の密度は変わりました。   日々たくさんの方と向き合いながらも、 一人ひとりの髪との関係は、 以前よりも深くなっているように感じます。   その違いは、 自分の中ではとても大きなものです。     バッキンガム宮殿の近くの公園   美容師になると決めたとき、 私は日本のサロンには就職せず、 ロンドンに渡りました。   ヴィダルサスーンで学びながら、...
植物に身を委ねて。

植物に身を委ねて。

1月に書いた「植物の時間」という言葉は、 何かを我慢するためのものではありませんでした。 急がせないこと。 足しすぎないこと。 無理をさせないこと。 その先に、 ちゃんと整っていく感覚がある、 という前提の話だったように思います。 2月は、 その植物の時間に、 もう少し近づいてみたいと思います。 考える、というより、 身を置いてみる、という感覚で。     植物に触れていると、 まず、頭や体の力が 自然と抜けていきます。 ひんやりとした感触。 包まれるような重さ。 刺激が強いわけではないのに、 頭の奥が静かになっていく。 その状態でしばらく過ごすと、 終わったあとに、 頭皮や髪の状態が いつもと少し違って感じられる。 軽さ。 落ち着き。 触れたときの、 余分な引っかかりのなさ。 植物のケアは、 効かせるというより、 働きやすい状態をつくる という感覚に近いのかもしれません。 無理に変えようとしなくても、...
植物の時間で。

植物の時間で。

このコラムも、しばらく間が空いてしまいました。 以前から読んでくださっている方も、今日初めてここに来てくださった方も、あらためて、新年の静かな気持ちでまた少しずつ書いていこうと思います。 僕は毎年、年が明けると、何かを大きく変えたいというよりも、一度立ち止まって、これまでのことを静かに見つめ直したくなります。 進むことよりも、今の状態をちゃんと見てみること。 髪についても、同じように感じています。急がず、足さず、そのままを受け取ること。 美容師として働いていた頃、当時勤めていたサロンで、ずっと心に引っかかる感覚がありました。 以前もこのコラムで書きましたが、きれいになるために行っているはずのことが、いつの間にか髪を疲れさせていく。色を重ねるほど、手触りやツヤが失われていく人が増えていく。その光景に、言葉にならない矛盾を感じていました。 変えることが前提になりすぎていないだろうか。本当はありのままを受入れたり、待つという選択肢があってもいいのではないか。     そんなことを考えるうちに、自然と「植物」のことを思うようになりました。 植物の力は、急がせない。必要以上に働きかけず、時間をかけて、ゆっくり整えていく。 アロマを長く学ばれている先輩から、こんな言葉を聞いたことがあります。 「アンチエイジングではなく、スローエイジング。」 その言葉を聞いたとき、無理に逆らうのではなく、時間と共に静かに歩むような感覚があり、すっと腑に落ちました。 髪にとって植物は、まさにそのスローエイジングの象徴のような存在だと思うのです。流れに合わせて、ゆっくり、自然に重ねていく。 染めない、という選択は、何かを諦めることではなく、自分の髪と向き合い直すことなのかもしれません。 today for MAYが大切にしているのは、変化よりも、回復。そして、待つこと。 このコラムでは、改めて、髪を「解放する」という視点から、選択肢を増やすための言葉を、今年も少しずつ残していこうと思います。 静かに。植物の時間で。    
〜素材(髪質)を活かすとは〜②

〜素材(髪質)を活かすとは〜②

こんにちは。美容室「LIfT(リフト)」のBAMBI.です。2025年初めてのブログ更新になりました。遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、前回のブログでは私がまだ独立する前、サロンのお客様の悩み解消する為に提案してきたメニュー(カラーやパーマなど)が、結果的にお客様の髪質を更に低下させ、逆効果となってしまった辛い経験についてお話しさせていただきました。このことがきっかけで、私は自身のサロン、LIfTをオープンしました。   この経験を経て、美容師として独立後に私はお客さまの髪質を徹底的にカウンセリングし、髪質が低下している場合には、ヘアカラーやパーマをお断りするようにしました。また、ブリーチは頭皮へのダメージが非常に大きいため、ポリシーとしてお受けしないことにしています。髪が弱る原因は、過剰なパーマやカラー、老化、ストレスなどが考えられます。私の美容室では、髪質が低下してしまったお客さまには、カットでボリュームを出す提案をし、くせ毛のお客さまにはその特徴を生かしたヘアスタイルをおすすめしています。パーマ液を使わずにカット技術を最大限に活用し、悩みを軽減する方法をご提案しています。そして、このような方針で美容師をしている中で、私が出会ったのが「ヘナ(Henna)」という植物です。ヘナは髪色を染めるだけでなく、くせ毛を落ち着かせたり、髪にハリやコシを与えたり、弱った頭皮や髪を回復させるなどの効果が期待される、唯一の自然なトリートメントです。   そして、このヘナの良さを知っていただき、日常で使いできるヘアケアアイテムとして開発したのがヘナエキスをメインに配合した、today for MAY(トゥデイフォーメイ) のシャンプーとトリートメントになります。LIfTでは、髪が健康的な状態に戻るお手伝いをし続け、お客さまのお役に立てればと思っています。本日もここまで読んでくださりありがとうございます。
〜素材(髪質)を活かすとは〜①

〜素材(髪質)を活かすとは〜①

こんにちは、BAMBI.です。   前回は、僕が美容師として日々お客様を接客させていただく中で辿り着いた一番大切なミッションは、 「お客様の素材(髪質)を最大限活かす」という事だとお伝えさせていただきました。   これからコラムを綴らせていただくにあたり、この事がとても大切になってくると感じたので、 今後、何回かに分けてお話しさせていただければと思います。   今回は「お客様の素材(髪質)を最大限活かす」という答えに行き着くまでの経緯をお話しさせていただきます。       人は誰しも自分にないモノに憧れる事があると思います。 特に見た目など、容姿に関わる事について強い思いを抱く方は多いのではないでしょうか。 僕は、そのうちの一つが「髪」だと感じています。   髪が太い・細い、多い・少ない、くせ毛・ストレート、黒い・白髪、 そこに生え癖や毛流など、それぞれの方が色々な悩みを持っていると思います。   僕は美容師として長年お仕事をしている中で、そんなお客様たちの悩みを解消しようと必死でした。 くせ毛ならストレートパーマ、ボリューム不足ならパーマ、白髪には白髪染めなど、 これらの手法をどんどん使って、自分自身はお客様の悩みを解決していると思っていました。   ところがある時、パーマをかけているお客様がパーマをかける度に本来の髪のボリュームが更に無くなり、 くせ毛でストレートパーマをかけてるお客様の髪も、ストレートパーマを繰り返す度に乾燥して枝毛になり、髪自体がもっと傷んでいきました。   お客様の悩みを解消する為に提案してきたサロンのメニューが、 やればやるほど髪質を低下させ、結果的に逆効果になってしまう事に当時の自分は非常に心を痛めました。   そんな経験をしてから数年後、僕は独立をして自分のサロン「LIfT」をオープンしました。   この続きはまた次回のコラムでお話しさせていただければと思います。 ここまで読んでくださりありがとうございます。
髪と私

髪と私

  はじめまして、東京の表参道で2席のみの美容室「LIfT(リフト)」を経営し、オーナースタイリストとして働いているバンビと申します。   BAMBI.(バンビ)という名前は、ロンドンで、ヘアスタイリストのピーターグレイ氏に師事していた際につけられたニックネームです。実際の自分の性格とは異なるイメージのニックネームに最初は戸惑いましたが、呼ばれ始めて19年経った今では、そのギャップを自分で楽しめるようになりました。   床屋の長男として生まれ、高校生の時に理容師・大学生の時に美容師の免許を取得し、渡英。イギリス人スタイリスト、ピーターグレイの元でアシスタントとして経験を積んだのち帰国。都内の有名大型サロンで11年間働いた後、独立して「LIfT」をオープンしました。 ちなみに実家が床屋だったり高校生の時からカットしていたこともあり、筋金入りにカットオタクだと自負しています。   話は戻りますが、 美容師として日々忙しく働く中で、 “本当にお客様をきれいにしているのだろうか“ ”お客様を美しくするとはどういうことなのか“ ということを深く考えていく様になりました。   そして辿り着いたのが 「お客様の素材(髪質)を最大限生かすこと」 という事でした。   それには一体どんなことが必要で、どんな提案をしていくのが良いのか。 これまでの出会いや経験で分かった事や感じたこと、それに向けて今取り組んでいることなどを発信できればと思っています。   拙い文、そして長話になるかもしれませんが、頑張って綴っていきますので、どうぞお付き合いいただけると嬉しいです。     「大好きなイラストレーターの韓国系ウズベキスタン人のキム・ターニャに描いてもらったサロンのポストカード。」